
~~~昨日のつづき~~~
二十四の瞳の映画村をあとにして、
数分車を走らせたあたりに、魚屋があった。
日が暮れる頃だった。
「まだ、開いてますかぁ~?」
シャッターが半開きなので声をかけてみた。
『ええ、いいですヨ、いつもはとっくに閉めてるんですが、
今日は、遅れてくるお客さんがいるもんでネ』
ほお、それはラッキーとばかり、中に入った。
なんとこの魚屋は、活き魚専門だったのである。
さっそく水槽にへばりつく。
おお~ウマヅラハギではないか!
鯛やヒラメ、メバルにメジナ、
ゴクン・・喉がなる。
実は、今夜はオートキャンプ場泊り。
炊事場もある。
魚が捌ける。
よし!
「ウマズラハギと・・ワタリガニください!」
料金を払い、脱兎のごとく宿泊キャンプ場をめざした。
着くなり、調理に入る。
ウマヅラハギを見事な、薄造りに仕上げてゆく。
もちろんピンク色のキモ付き。
ワタリガニは大量の熱湯で、15分の茹で。
さあ、酒宴だ!
旅先で邂逅した思わぬご馳走に、ホホが緩みっぱなし。
映画村で見た魚たちに、予期せぬよだれを垂らした、
ふがいない私であった。
しかし、その反省が役にたったのか、
運命は、魚屋さんの閉め時間を遅くしてくれていた。
しかも大好きなウマヅラハギとワタリガニを、
生きたままで!
シコッ!
これは、缶ビールをあけた音である!

ウマヅラハギのフグ造り