
鯖好きの私だ。
先日、徳島県の道を走っていたところ、
突然、看板が現れた。
《鯖大使本坊》
なんと鯖のお寺だと指し示しているではないか!
行かんでなるものか!
四国八十八か所の霊場の一つであり、
弘法大使空海のお寺でもあるそうだ。
特筆すべきは、《鯖絶ち》という祈願がある。
何かをお願いする時に、
「鯖を食べるのをやめる」と言うのだ。
あんですと?
世に、祈願といえば、
お百度まいりや、絵馬を描くとか、
様々な祈願方法があるが、
「鯖を断つ」とは・・それは困った困った。
鯖好きにとっては、いかに難解な努力であろうか。
いかに心絞られる祈願方法であろうか。
本堂の中には、長く暗い回廊があり、
仏様の像が大量に並んでいた。
そして本堂には、桟敷にお座りくださいとばかり、
座布団が置いてあり、
その絵柄には、鯖の文字が。
もはや、鯖は、信仰の対象であり、
気軽に食べる安易なものではないと教えられた。
その日のあと、私は一週間、鯖を断ったのであった。
なぜか?
改めて、鯖の偉大さを体に染み込ませたかったから・・