 「いち、にぃ、さん、・・・」
親戚の6才の女の子(仮名ゆずちゃん)が、
指をおりながら数をかぞえている。
最近、ひらがなは全部書けるようになり、
数もかぞえるようになった。
二桁の数字も、オッケーだ。
自分の指を使ってかぞえ始めた。
左手をひろげ、右手の人差し指で、
親指から、順番に、指し示してゆく。
「いち、にぃ、さん、しぃ、ご、」
「ご」は当然、小指。
そこで、自分の右手の人差し指を見て、
こう言った。
「ろく」
その後続けて、左手の小指からかぞえ始めた。
「しち、はち、くう、じゅう、 じゅういち」
ぎゃああ~~~
「おかあさ~ん、どうしようどうしよう!」
『どうしたノ?』
「指がネ、11本あるの」
深刻に泣きそうになっている6才のユズちゃん。
「指がね、11ポ~ン!」
一大事である。
指の数が多いのが、怖いのである。
おびえている。
確かに、コレは一大事。
少ないと云うなら、なんとなく体験的に分かる。
しかし多いのは、理解しがたい。
むしろ、ホラーともいえる。
「10人で歩いていると思ったら・・」
誰かひとり増えているという、怪談話のふくらみがある。
それを感じてか、
ユズちゃんは、泣きそうになっている。
「おかあさ~ん、指がぁ~~」
お母さんは、立派な母親だった。
ピシッと・・・
『ちゃんと数えなおしなさい!』
by ishimaru_ken
| 2020-01-28 05:06
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