毎日、雨戸をくる我が家である。
シャッターだの自動なんらたらだのの無い、
昔ながらの家である。
ガラガラガラガラ・・ガッシャーン!
雑にやれば、雨戸と雨戸がぶつかり合う。
そぉっとやれば、それなりの騒音ですむ。
雨戸くり・・
さて、そんな時だった。
ある日、その雨戸に異物を見つけた。
そこは、雨戸と雨戸がぶつかり合う接点だ。
たまたまカエルくんが通りかかった時に、
雨戸が閉められたらしい。
ギョッ!
「カエルがひしゃがれて干からびている」
冒頭の写真を見てもらいたい。
カエルとは、死の瞬間まで滑稽さを自ら演出している。
セリフに直せば、
「ふんげぇ~」
ペチャンコになった、その形に、
コダワリさえ示している。
我々が、
こうあって欲しいという理想形で、
ペチャンコを演じている。
この形こそが、カエルの真骨頂である。
たとえば、同じ爬虫類や両性類では、こうはいかない。
カメがこれほどの大往生の仕方をしてくれるだろうか?
サンショウウオに、この滑稽さを要求できるだろうか?
やや似ているトカゲくんだって、
尻尾をちぎる程度の芸当しかしてくれない。
カエルくんは、様々な童話やら昔話に頻繁に登場するが、
死に直面してもなお我らを楽しませてくれる、
パフォーマンスの高潔さに、
擬人化した親しみを感じるのである。
仮に、私がコメディアンとして、この形を演じたなら、
「それはやり過ぎでしょ」との評価で却下される。
ところが、カエルくんは、なんのテライもなく、
見事に作品をつくりあげる。
改めて、彼の作品の題名を付けなおそう。
《ふんぎゃあ~》