自転車をこぐ足は、踏む足だけじゃないんだ!
目からうろこのようなお話を、先日聞いた。
自転車で坂道をこいでいる。
かなりの急な坂道をこぐと、足の筋肉が悲鳴をあげる。
とくにモモの筋肉が、イヤイヤをする。
「わし、何のためにこんな苦行を!」
文句を垂れる。
さあ、そんな時だった。
自転車のオーソリティにお話しを聞いた。
「ペダルを踏むだけじゃダメです」
『えっ?』
「反対の足を挙げてください」
『挙げる?』
挙げるとは?
たとえば、右足でペダルを踏む。
すると、反対の左のペダルに左足という物体が載っている。
こやつの重さはとても重い。
その重さが無駄だというのだ。
考えてみれば、その発想はなかった。
我らは、反対側の足の重さまで踏んで持ち上げていたのだ。
それを、0にすればもっと軽く走れるハズ。
左の手のひらに右の拳をポンとあてた。
右手の手のひらで、額をポンと叩いた。
左手の手のひらで、膝をポンと叩いた。
言葉にも出した。
「気づかなかったぁ~」
よし、さっそくこいでみよう。
自転車を引っぱり出し、走りだす。
天気晴朗、風涼し、いい季節である。
花の香りもただよい始め、小鳥がピーチク鳴いている。
坂を登り、下り、アチコチ走り回って帰ってきて、
ハタと思いだした・・本来の目的を。
「しまった・・反対の足をあげるのを忘れた・・」