ボケの花
我が家に、自転車置き場がある。
自転車を天日から守り、雨から守り、
盗人から守る為に設置している。
特に、盗人からの守りにおいては、
危ない守り器具を設置しているので、
「近寄らない方がいいヨ」
という警告文まで書いてある。
さあ、その自転車置き場に、ある日・・
なにやら怪しい影が・・
その影は、ぼんやりした姿をしている。
毛がふさふさしている。
茶色なのか灰色なのか・・
はて、その正体は!
《たぬき》
タヌキが、のろのろと自転車置き場を歩き回っている。
のんきなもので、人間が近寄っても、
とんで逃げるよしもない。
さすがタヌキ、昔話どおりに、のんびりしたものだ。
警告文など知るわけもない。
どうやら、一匹だけらしい。
単独で生き延びているのだろうか?
30年ほど前には、家族でタヌキが暮らしており、
たまに道路で車にはねられ、可哀そうな姿をさらしていた。
なぜ、家族だと分かったかといえば、
不思議なことに、タヌキが車にはねられた姿をみると、
たいがい2匹だったりするのである。
仲が良いのか、逃げるのが不得意なのか?
二匹同時に、はねられたようだ。
ただし、3匹というのは、まだお目にかかった事がない。
2匹同時でさえ、哀れさに胸が痛むのに、
3匹は、あんまりである。
自転車置き場の、おそらく単独君には、
車に気を付けて長生きしてもらいたいものだ。
落としメガネ