
重りを背負ってただ歩いているのでは、
山登りの筋肉を維持、発達させるには負荷が足りない。
やはり、傾斜がほしい。
坂道がほしい。
しかし、坂道には限界がある。
なるべく急坂を造らないように、道路行政は行き届いている。
そこで、やっぱり階段だ。
ほとんど人に接せずに登れる階段を、
常日頃から、あたためている私である。
まさか、こんな時に役に立つとは思いもしなかった。
ヨイショ
20~25キロの重りを背負って、階段下に立つ。
見上げると、踊り場もなく急階段ではあるが、
山道に比べれば、ヘでもない。
これは、一往復ではなく、最低10往復せねば!
しかもマスクまで付けている。
最近付け始めたたのではない。
マッターホルン登山対策として、
空気の薄い所を歩く訓練である。
ウンショ
10段あがった所で、もう後悔している。
「どうしてこんなバカな事しようと思ったんだろう?」
登りはじめは身体がきつい。
10往復どころか、一往復でやめてしまいたい。
さあ、そこからが面白い。
さすがに一往復では恥ずかしいので、2往復がんばる。
その頃に、からだが慣れてくる。
下半身に溜まっていた乳酸が、歩きながら、出てゆく。
大きな深呼吸とともに、疲れを吐き出しながら、
さらにスピードをあげて登ってゆく。
ドッコイショ
登ったらすぐ降りて、また登りだす。
決して休まない。
休まずに歩ける身体に変えようとしている。
小一時間、汗ビショになる頃、
一種のランナーズハイ状態になる。
「はいおしまい」
ここでやめる。
ハイになったところで続けていると、
ケガをしやすい。
重いリュックを背負っているので、捻挫も起こす。
ヘイコラショ
帰り着いたら、大工仕事やら、草刈りだの、
まだまだやること満載なのだ。