
スーパーの肉売り場で、気になってしかたがないモノ。
《鶏ガラ》
値段でいえば、100円未満。
もってけ泥棒的な売り方をしている。
パンの耳と同等のあつかいなのだが、
こちらは昔から、ファンがいた。
何を隠そう、わたしである。
鶏ガラ歴は長い。
40年になんなんとする。
スーパーに行って、鶏ガラは、あっても一本である。
それは、40年前と変わりない。
その一本の鶏ガラが、
早い者勝ちのように奪い合いには決してならない。
なんとなく、常に残されている。
この忘れられた感が、鶏ガラの宿命。
では、買い求める人は、何が目的なのだろうか?
考えるまでもなく、《鶏ガラスープ》である。
買って帰り、グツグツと煮て、スープを煮出す。
勿論、私もその一人、グツグツさんである。
ところが、わたしの場合、その先がある。
煮出した鶏を、網ですくい、ほかの鍋に移す。
一羽の鶏の大部分が、骨のうえに薄い肉をまとって、
かつての面影を残している。
すでに出しガラとも言えそうな残骸。
その残骸に、調味料を加え、グツグツと煮こむ。
すると・・・
えもいわれぬ、ご馳走に変身するのである。
例えるなら、豆腐を作成したあとの、《おから》。
そのおからで作った料理と思っていただきたい。
ダイエット食としても優れているし、
なにより、旨い!
そうなのだ。
よくよく考えてみれば、肉屋さんは、鶏のガラを作る段階で、
いちいち細かい肉片など気にしていない。
なので、いかに残量の多いことか!
しかも、すべてがスペアリブ!
喜ぶべきことに、ネックという、
首の部分の希少な部位が食べられる。
その上、微小な軟骨、コリコリOK!
今日は味付けを中華にしたが、
その時の気分で、どうにでもなる。
そもそもが、出シガラなのだから、
どうぞアナタの気分で・・・
「あッしまった、スーパーで奪い合いになるゾ」

大キレットで