
《ホウ》の樹をご存知だろうか?
ほう葉のホウである。
旅館に泊まると夕食に、ほう葉料理が出てくる所がある。
下から火で焼いているのに、葉っぱが燃えないという、
不思議な料理法だ。
なぜホウの葉は燃えないのか?
どうぞ調べてみてください。
さて、そのホウの樹には、花が咲く。
真っ白で大きな花が咲く。
樹木に咲く花としては、日本最大だそうだ。
今が季節。
この花は、とんでもなくいい匂いをだす。
匂いが漂うというレベルではない。
かぐわしきを通りこし、クラクラする。
どちらかというと南国系のねっとりした匂い。
果物の匂いに近い。
沈丁花(ちんちょうげ)という花もかなり強い匂いを出すが、
あれは、花の匂いであり、美味しそうな匂いではない。
ところが、ホウの匂いは、明らかに、
食べ物を美味しいと感じる時の匂いである。
「いったい誰に対して、こんな匂いをふりまいているのか?」
問うてみたくなる。
虫や鳥を相手にして、ここまで強烈な匂いは必要ないだろう。
おい、おまえ・・・
こんなに旨そうな匂いを発して、
貪欲な人間様に食われたらどうするつもりだ!

ホウの花の絵を描いてみた