
ご近所にあるこの看板。
《包丁研ぎ》である。
一本、300円で研いでくれると書いてある。
この値段、高いと思われるか?安いと考えるか?
「安い!」と立ち止まったのは、私である。
「覚えておこう」と写真まで撮っている。
アナタに訊きたい。
「包丁をきちんと研げますか?」
洋包丁は、それなりの研ぎ器があり、
包丁を隙間にさしこみ、ただ引くだけでまあまあ、研げる。
しかし、和包丁はこうはいかない。
砥石で丁寧に研がなければ、すぐに切れなくなる。
というより、砥石で間違った研ぎ方をした場合、
研ぐ前より、切れなくなる。
研がなかった方が良かったじゃねぇか・・となる。
では、研ぎの技術は誰に教わったらいいのか?
こればかりは、そうそう教えてくれる人はいない。
仮に、近い人に腕のたつ日本料理の板さんがいて、
丁寧に教えてくれたとする。
だからと言って、すぐに覚えられるものでもない。
やり方は覚えることは出来るが、
きちんと研げるかどうかは、アナタ次第だ。
根気と丁寧さがいる。
集中力の世界とでも言おうか・・・
いしまる?
わたしは、その昔、日本料理屋でアルバイトをしている時に、
板長さんが、弟子に教えているのを、横目で見ていて覚えた。
非常に厳しく教えていたのを覚えている。
「指で研げ」
「一日に、何回も何回も研げ」
「砥石を研げ」
砥石とは、研いでいると、
砥石そのものが減ってくる。
真ん中あたりが、へこんでくる。
そのへこみを、
まっ平らに研げと示唆している。
その研ぎ方が、秀逸だ。
へこんだ砥石とへこんだ砥石を重ねて、こすり合わせる。
冒頭の、《包丁研ぎます》
その昔の、板長さんレベルの方だと、推される。
相当のワザをお持ちだと、信じる。
その究極のワザに触れたい。
触れることができる!
300円では安すぎると思えませんか・・・