「どっちが勝ったか分からない?」
喋っているのは、
その競技にこれまで触れていなかった方である。
「あのネ、将棋と柔道はどっちが勝ったかが・・?」
始めて将棋対局を観た方は、
いつ終わったのか?どちらが勝ったのか?
分からないと言う。
対局の最後は、片方が深くお辞儀をして、
「負けました」と言葉を吐く。
吐いた方が負けたのである。
しかし、その瞬間を見逃すと、その後、
どちらが勝ったのか?迷ってしまう。
対局後は、感想戦というのが行われ、
「あの時はこうだった」
「そうかその手があったのか・・」
延々続くのである。
勝負ごとと云うのは、勝った方が、嬉々としている。
負けた方は、うなだれるか、涙すら浮かべていたりする。
ところが、将棋に関しては、これが当てはまらない。
勝った方が、
静かに、肩を落としていたり、
負けた方が、
浮き浮きと口数が多かったりする。
悔しさの裏返しであるかもしれないし、
嬉しくてはしゃいだのでは、相手に申し訳ない、
という礼儀もあるのだろう。
では、柔道はどうなのだろう?
ドダンバタン!
イッポン!
主審の右手が上にあげられ勝者が決まる。
ところが、初めて柔道を観た人には、
どちらが勝ったのか?理解できない。
なんせ、白と青の柔道着がゴロゴロと転がり、
どっちが上なのか下なのかさえ分からない。
「背中が畳みに付いた方が負け」
との解説を聞いても、
「両方とも背中がついてたんじゃないの?」
疑問符が浮かぶ。
最近の柔道は、技が複雑になりつつあり、
返し技などで決着がつくと、かなり観慣れた人でも、
どちらが勝ったのか、分からないケースもある。
柔道は、審判が手をあげて指し示した方が勝ちである。
将棋はそれまで、秒読みをしていた棋譜係の人が、
「〇〇七段、117手で勝ちとなりました」
と声で教えてくれるが、〇〇七段がどちらの人かは、
自分で見つけなければならない。
どちらも、テレビ画面が、
勝った方をアップで映しだすので、
それと分かりましょうネ。
大分 国東半島 下成仏バス停