
魚の骨の硬さは、さまざまである。
「猫に食わすな」とまで言われている鯛の骨は硬い。
猫どころか、人間様もかみ砕けない。
小骨を呑み込もうなんてしたら、喉に引っかかってしまう。
およそ鯛と名の付く魚は、ほとんどが硬い。
干物にしても、喉を通らない。
では、柔らかい魚は何?
《イワシ》が柔らかいのは、皆知っている。
丸ままの煮干しがそれを証明している。
《サンマ》も柔らかい。
まずまず全部食える。
しかし、それらは、個体が小さい。
もっと大きな魚で骨が柔らかい魚・・・?
《ホッケ》
体長40センチほどの干物が皿の上にある。
これが最終的に、皿だけになる。
皿の表面に、わずかだけホッケの脂が残り、
身も骨も、すべてが腹に収められる。
けっこう大きな頭にはゴツゴツした骨があるのだが、
歯で砕けてしまう。
ホッケの骨に比べれば、
サンマの中骨の方が硬いかもしれない。
では、ここであの魚に登場いただこう。
《サバ》
サバの骨も柔らかい。
干物にすれば、頭から尻尾まで全部食べられる。
・・られると断定したが、実は・・・
一つだけ
どうしてもかみ砕けない骨がある。
鯛のタイと呼ばれる骨を知っておられるだろうか?
人間でいえば、肩甲骨の骨である。
腕をグルグル回すことができるのは、その骨のおかげだ。
魚でいえば、《かま》の部分にある。
ヒレをヒョコヒョコ動かす骨だ。
で、食えない骨とは・・
その鯛のタイの、すぐ横にある。
名前はしらないのだが、一か所突起がついている。
非常に薄っぺらい骨である。
コイツが食えない。
噛んでも噛んでも細かくならない。
ある意味、サバ全身のどの骨より硬い。
だから、朝、私がついばんだサバの干物の皿には、
必ず、その骨だけが残されている。
この小さな骨のおかげで、硬い骨ランキングにおいて、
サバはホッケに勝っている。

今朝も噛み切れずに残ったサバの骨