「一週間に一日は、《休肝日》をつくりましょう」医者にたしなめられる。
肝臓を休める日、つまり酒を呑まない日をもうけろと言う。
そうすることで、肝臓が回復する助けになる。
ん・・・?
コレは、いまの感染症の対策に似ていまいか?
「自粛」、「ロックダウン」、どちらも「○○をやめてみよう」と言っている。
そうすることで、今より悪い状況に進まないようにしている。
現況を回復させようとしている。
休肝日と考え方は同じだと思える。
そうは言っても、「じゃ今夜は酒を抜きます」と
素直に従えるものなら、とっくの昔にやっている。
つまり、自粛とは、ハードルが高い難題を、
自分でクリアしなければならない。
この「自分で」という部分が、ハードルをさらに上に押し上げている。
っということで、昨日、酒を呑まないでいた。
たぶん、今日も呑まないでいてみよう。
すると、肝臓は確実に回復するだろう。
つまり、ある意味こんな簡単なことすらできなくて、
世の中の危機に対することなどできないだろうと考えたからだ。
なにごとも、まずは我が身から実践!
そして、自粛を、経営上できづらい人たちの想いをかんがみ、
その分まで、休肝日を人に勧めている。
ところが、人に勧め方に問題がある。
メールや電話で話をしたところで、説得力に欠けるので、
実際会って話したい。
しかし、今は、会う訳にはいかない。
ってんで、テレビ電話で話をする。
ただ話しをするのもなんだから・・という理由で、
「ちょっと待ってネ」
と画面の中から消える。
お互いが消え、ふたたび現れたときには、片手にビールを握っている。
「肝休日の話しなんだがネ・・・」
「うんうん、あれは良いらしいネ」
「週に一回はした方がいいってサ」
「月いちでは、駄目かな?」
「まあ、いいんじゃないの・・」
ふたたび、画面から消えると、ワインのボトルをさげて現れる。
「コレ知ってる?スペインのスパークリングワイン」
『ロジャーグラート?うまいの?』
「安いのに旨い!」
『シャンパンじゃないの?』
「シャンパンはフランス。スペインは、カバ」
『カバ?』
「ロジャーグラートなるものが、三国ワインから売り出されている」
『のみたい!』
「テレ電話だとむりだな、オホホホホ~」
休肝日明けの夜は、テレ呑みはしない方が賢明です。