ウインドサーフィンというのは、濡れながら遊ぶスポーツである。波のしぶきを常に受けている。
よって、頭のてっぺんから足先まで、ビショビショが当たり前。
という事は、雨だろうが晴れだろうが関係ない。
・・・ないハズである。
特に、海水の上で走っている場合には、
雨が降ると、真水で眼球を洗ってもらえるので、
塩水が染みなくて嬉しい。
嬉しい・・ハズである。
ところが・・・
ウインドサーフィンとは、非常に高速で水上を疾走している。
時速50キロを超えている。
一秒間に、15m以上移動するスピードだ。
例えてみよう。
アナタが、時速50キロの列車の窓から顔を出し、
そこに雨が降っていたら、いかがでしょうか?
雨粒が眼球にあたるチカラに耐えられるでしょうか?
しかも不思議なことに、ウインドサーフィンとは、
実際のスピードより速い風を感じているのである。
《進行風》という現象があり、
時速50キロで走っていれば、前から当たる雨粒は、
時速70キロほどの速さでぶつかってくるのである。
目をあけていられない。
とはいえ、目を見開いていなければ、
そのスピードで海面を疾走など出来るハズもない。
雨をものともしないスポーツでありながら、
やっかいな雨と眼球の戦いが必須となる。
これは何とかしなければ・・ということで、当然メガネをかける。
透明なメガネをかける。
ハズレないように、ゴムで後頭部に固定している。
これで、問題がクリアになったのかと云えば、まだ災難はふりかかる。
しぶきとは、透明グラスの表面に居続けたい物体だ。
水滴として残りたがる。
すると、小さな水滴でも目の前にある為、視界が歪んでしまう。
時速50キロの世界で、視界がゆがむのはいただけない。
お願いがある。
メガネにワイパーをつけて貰えないだろうか?
それも自動で動くタイプを・・・
切なる望みである。