雪が降らない地方の冬山は、落ち葉が雪代わりになっている。秋に落ちた落ち葉が、溜まりに溜まって、
残雪ならぬ、残葉を築いている。
ところによっては、雪がそうであるように、
落ち葉雪崩をひきおこし、谷間に落ち葉だまりが出来ている。
そんな所を発見すると、さすがに我慢ができない。
とび込んでゆく。
足先でかき分けるレベルではなく、モモから腰、
はては胸まで埋もれることもある。
いわゆるラッセルである。
雪山で雪をかきわけ進む事をラッセルという。
それを落ち葉でやろうと言うのだ。
ザザザザ~ガザ~ガザザ~ガザザ
ザとガの擬音だけが、あたりに響く。
まるで、大量のコーンフレークの中を歩いているかのようだ。
コーンフレークよりもっと乾燥度が高い。
なにより、軽い!
雪のラッセルは、重い雪をかきわけて進むのだが、
落ち葉のラッセルは枯れた葉の為、非常に軽く、
仮に、足をおもいっきり蹴りあげても、スコ~ンと足があがる。
枯れ葉の中ならば、サッカーの試合ができるかもしれない。
ボール奪取のスライディングは楽しそうだ。
フカフカなので、オーバーヘッドキックは、恐くない。
深場では、潜って隠れられる。
オフサイドが見つからないかもしれない。
あまりの楽しさに、ドダ~ンと転び、グルグルと転げまわる。
その帰り・・・靴の中、髪の毛の中、首の中、
砕けた枯れ葉だらけで、うぅ・・・