海辺で、虹に出会う。朝夕ならば、太陽の位置が低いため、弧が大きい。
海から直接たちあがっているので、立ち上がりの始まりは、
ほとんど垂直に近い。
半円を描いて、弧はおおきく空を駆け上がり、
やがて、反対側の海へ没してゆく。
まさにアーチを見ている。
時折、ウインドサーファーが海をけたてて、その真ん中に突っ込んで行く。
帰ってくるなり、
「どうだ、虹のアーチをくぐったの見たか!」
興奮して喋っている。
「おお写真撮ったよ~抜けた反対側から見たらどうだった?」
「裏側は、色がついていなかったナ」
科学を超越した生真面目な会話をしている。
ところで、冒頭の写真を見て、その時刻が分かれば、
撮った日付が分かる。
虹の角度でその真ん中が計算でき、反対側に太陽があるので、
日にちが、詠めるのである。
惑星探査に成功したジャクサの方なら、暗算で出来る。
(らしい)
「虹が出てるヨォ~」
虹が出ていると、もれなく誰かが教えてくれる。
仕事中でも教えてくれる。
天ぷらを揚げている最中でも声がかけられる。
ぐっすり眠っているのに、起こされる。
昨日も見たのに、ドアを叩かれる。
でも、見に行かなかったことはない。
虹とは、それほど人を惹きつける自然現象である。
ん・・・ちょっと待てよ。
アレは自然現象と言っていいのだろうか?
人が、居なければ、成り立たない現象ではないのか?
人が個人的に認識してはじめて、確認できるモノ。
じゃないのかな・・と。

肉眼では、水面に虹が映っていた