
山の頂上には、その山の名称を書いた標識がある。
国土地理院に載っている山ならば、ほとんど間違いなく有る。
木造りであったり、コンクリーであったり、金属のプレートであったり、
それぞれ意匠をこらしている。
時に雨風で風化し、肝心のプレートが地面に落ちてしまい、
そのまま転がされてあったりする。
登山者は、それを手で持って記念写真に収めたりしている。
ところで冒頭の写真に写っているのは、
神奈川県の三浦半島にある山、《畠山》はたけやまの頂上。
これまで見た頂上標識の常識を超えていた。
木の枝からぶら下がっている。
頂上とはそこが最も高い場所ゆえに、標識は地面に置かれてある。
地面に埋め込む形で立っている。
ところが、どういう訳か、木の枝にぶら下げる、
という選択肢を選んだようだ。
畠山の頂上はやや広い平地となっており、
一応三角点らしきものはある。
しかし、周りが繁った樹木に囲まれ、頂上感に欠けている。
ぼんやりしていると、
「ここが頂上らしいネ」程度の感想で通過しそう。
頂上をアピールする目的なのか、目の高さに標識を、
どなたか親切な方が木の枝に吊るしてくれた。
これまで見た事のない《吊るし標識》である。
ここで、アナタは疑問を抱いたネ。
「どなたか」とは、どなたか?
標識を造るのは、地元自治体、登山クラブ、有志個人などが、
自費で造っている。
有名どころは、自治体であったり、国が造ったりしている。
ところが、地元の裏山的な低山の頂上標識は、
有志が手作りで造るケースが多い。
岡山の和気(わけ)アルプスにある標識に至っては、手作り感満載で、
その標識巡りの山行と言っていい。
《和気アルプス》という名称自体、どなたかが名付けた愛称らしい。
それにしても、畠山の標識は、変だ。
何が変だと言って、頂上で上からぶら下がった標識に、
頭をぶつけるって変じゃない?