《取扱説明書》 トリセツ電化製品を買うと必ずついてくるトリセツ。
食料以外のほとんどの製品に付いてくるトリセツ。
これを「シュセツ」と最初に呼ばなかったのだけは好感がもてる。
意味が分かりやすい「トリセツ」で押し通した。
意味が分からないから、トリセツを読む訳なので、
その言葉には、ことさら気を使ったということだろう。
トリセツを読むことは、ほとんどない。
組み立て家具を買ってきて組み立てる時、
なるべくトリセツを読まないようにしている。
理由は、読んでしまうと、自分の想像で組み立てている感覚に、
ならないからだ。
できることなら、自分でなんとかしたい。
ところが、途中でなんともならない事態におちいる。
やむなく、トリセツを引っ張り出し読み込んでいくと、
ある一点で、小さな失敗をしている事に気づく。
そのほころびは、取返しのつかない分岐点となって、
家具を組み立てられなくなるようになっている。
元に戻りたいのだが、接着剤などを使用している為に、
急がなければ、固まってしまう事態に突入している。
結局、すごろくの『ふりだしに戻る』のサイコロを振った状態になり、
はるか遠回りをして、家具を造っている。
では、次の時に、トリセツを読むかと云えば、やはり読まない。
たとえ間違いを起こそうとも、自分でやりたい気持ちを棄てたくない。
結果、ふたたび悲しい作業となるのだが、
それでもトリセツに頼りたくない。
っとこんな人は多いのではないか?と思っていたら、
先日来、我が家の電気製品の問題解決に働いてくれているツッシーの、
解決能力を垣間見た。
彼は、初めてみる電化製品などでは、まずトリセツを見ようとする。
つぎにネットで、それを造った会社を調べ始める。
・どういうコンセプトの製品なのか?
・その中に使われている部品はなにか?
・他に使えるオプションはあるのか?
ひとつひとつ洗い出してゆく。
最後に、「コレが有効ですネ」、解決策を提示してくれる。
ある日、20年来壊れているので置きっぱなしという焼肉マシンを、
ほったらかしにしてあるウチに皆でお邪魔したことがあった。
庭で、皆がビールをのんでいる間に、ツッシーがスマホで、
何か調べていたと思ったら、あろうことか、
そのマシンを修理してしまったのである。
捨てられずに邪魔な物体でしかなかったマシンを蘇らせた。
持ち主の驚かんことか、喜ばんことか!
ただし、修理の最中に、伝統的なしぐさとして、
マシンの横腹をドンドンと叩いていたのは、なんだったのだろう?