私は基本的に不幸である。最近起こったことを語ってみよう。
伊豆の修善寺まで、伊豆箱根急行というJRの鉄道が走っている。
「さあ、これに乗ろう」という企画で、私が旅人に指名された。
「〇月〇日、熱海駅の2番線に〇〇時○○分に来る列車に、
乗ってください。スタッフは東京から乗っています」
鼻歌まじりで、指定の熱海駅の2番線にいた。
列車が入ってきた。やたら車両が多かった。
とりあえず乗った。
ガタン、走り出した。
暫くして、プロデューサーから携帯にかかってきた。
「石丸さん、今どこにいます?」
「どこって、列車の中だヨ、海を見てる」
プープープー通話が切れた。
と同時に、車内アナウンスが流れる。
「次は、イトオ~イトオ~」
ん・・?イトオとは伊東だナ。
伊豆の中では、東海岸の駅ではないか?
私が行くのは、山の中の修善寺だゾ。
再び、プロデューサーからのベルが鳴る。
「石丸さん、その列車からすぐに降りてください」
「なんで?」
「さっきの熱海駅で、車両は二つに分断され、
石丸さんは違う方に向かってます」
やたら長い列車だと思ったら、
二方向の列車が連結されて熱海まで来たようだ。
そこで、2路線に別れ進んでいく・・というシステム。
ふ~ん、私はよりによって違う方の車両に乗ってしまったらしい。
確率50%の場合、私は必ず負けクジを引く。
朝、いい加減にティシャツを被ると、
前後ろが反対になっている確率は75パーセント。
つまり4分の3・・・1勝3敗。
基本が不幸なのである。