将棋の棋士、つまりプロの方に、山カフェにお越しいただいた。《中川大輔八段》
将棋の段位は、九段までしかない。
それ以上は、タイトルホルダーの冠が載せられる。
《名人》 だの《竜王》だの10いくつのホルダー名がある。
さて、中川大輔さんは山登りを趣味にしている。
趣味と言うと、遊びのように聞こえるが、ほとんど生活の一部である。
その点では、私と同じかもしれない。
山カフェ内で、放送中にも楽しいお話をしたのだが、
終わってからも、しばらくお話しを聞かせてもらった。
将棋の棋士とは、
「たぐい稀なの集中力を発揮できる人」たちなのだと分かった。
彼らは、《目隠し将棋》といって、将棋盤なしに、
お互い棋譜を読み上げながら将棋をさすことができる。
ど素人の私もやって見た事がある。
定石通りの30手くらいまでは、なんとかなったが、
駒が取られ始めると、もうダメだ。
訳が分からなくなる。
それを彼らは、勝ち負けの終局まで出来るのである。
あろうことか、一人でふたりを相手に目隠し将棋をやってのける、
離れ業すら見た事がある。
中川八段に質問をする。
「僕らのレベルの7手詰めの詰将棋をどのくらいの時間で解けますか?」
石丸の場合、簡単な7手詰めでも、5分も10分もかかる。
それでも解けないことの方が多い。
「一秒かな」
「えっ、一秒!!!」
「一秒かな」と口に出している時間の方が長い。
つまり、問題を見た瞬間に答えが解るという意味なのだ。
中川八段の師匠は米長邦雄(よねながくにお)元名人。
かつて米長名人がこんな言葉を残した。
「上の兄貴たちは、頭が悪いから皆東大に入った」
もちろん米長流のジョークなのだが、本気で言っているとも思われる。
実は、八段から名刺をいただいた。その裏をひっくり返してみて驚いた。
そこには、詰将棋が一問描かれていた。
ここで、その紹介はできないが、4枚の桂馬を使った問題である。
楽しみができた。
どうせなら、山の頂上でコレを解いてみたい。
解けなければ降りることかなわず!
こころ踊るプレッシャーではないか。
《戦気》 揮毫を書かれた扇子をいただいた。