《ながらみ》という巻貝がある。ナガラミかもしれない。
漢字があるのかどうかは知らない。
岩礁地帯に棲み、動物たんぱく質を食べている。
魚屋で売られているが、同じく魚屋の店頭にある、
《シッタカ》だの《ニナ》だのと同じ系列だろうと思う。
同じ系列と言ったのは、食べる時、爪楊枝を使うという意味だ。
どう使うか?
まずナガラミを塩で茹でる。
ゆであがったモノを皿に並べると(冒頭写真)、デザインの美しさに驚く。
巻貝のラデンの輝きは、宝石である。
宝石に比べれば、値段は極端に安いが、美しさは秀でている。
特に、ナガラミは特別かもしれない。
さて、中身をほじくりだすには、爪楊枝が必須である。
開口部のフタの裏に爪楊枝の先端をつっこみ、
貝を持った左手を器用にグルグル回す。
この時、決して爪楊枝がわの右手を回してはいけない。
右手を回すと、中身が千切れる。
最後までの中身が全部出てこない。
だから必ず、左手だけを回す。
(わたしは左利きなんですが)
という方は、今は、お外で星でも見てて下さい。
この時美しい発見をする。
「ナガラミの回転方向はすべて同じなのだ」・・と。
ここで、科学的な観察をしてみよう。
ナガラミを腹の方から見てみる。
腹とは、彼らが生息している時、地面に接している部分だ。
つまり、平らになっている方。
腹の方から見ると、入口(出口かもしれない側)から穴は、
《のの字》を書くように回転して頂点に達している。
世間でいう時計回りである。
昨日食べたナガラミはすべて《のの字回り》だった。
これまで食べたサザエだの夜光貝だのの貝殻の残滓が、
陳列物としてリビングにあるので、検証したところ、
すべて同じ、《のの字回り》である。
ということは、巻貝の名前を冠する貝は、
すべて同じ方向に巻いていると云える。
ん・・・・?
巻いているモノといえば、気象天気図の高気圧低気圧。
アレは、北半球と南半球で巻く方向が異なる。
正反対に渦を巻く。
どうなのだろう・・・南半球のナガラミは、
どちら回転なのだろうか?
タイだのアジだのに似た海産物がたくさんあがる、
ニュージーランドの方に問うてみたい。
「ナガラミを食べてますか?」
「どっち回りですか?」
ナガラミ 上から