オオカニ選手は今、何をしようとしているのか？

《打率を下げよう》としている。

ホームランにばかり目がいっているが、実は三振がとても多い。

ところが、オオカニは、わざと三振している。

打率を下げたいからだ。

ピッチャーから見れば、ホームランを打たれる怖さもあるが、

オオカニに関しては、三振に仕留める楽しみがある。

ホームランもヒットも共に量産する打率が高い選手には、

フォアボールを与えやすい。

フォアボールは打者として勲章などというが、

ホームランは打席数の数が大切である。

ピッチャーに勝負して貰えなければ、意味がない。

そこで、わざと三振して、

打ち取りやすい選手のイメージを植え付けている。

試合を観ていると分かるが、明らかな負け試合では、

バットをブンブン振り回して、ボール球を振りまくっている。

で、三振。

これで、打率が下がる。

２割６分なんてのは、ピッチャーにとって怖くない。

ホームランは、たまたまだと開きなおれる。

オオカニはその心理をよみ、

ボール球を振るダメな打者に扮している。

そして、数打席に一回、ゲームの勝負がかかる場面で、

ホームランをかっとばす。

やっかいな選手である。

オオカニの今年の狙いは、ホームラン王を獲ること。

３割打者は来年からの楽しみにとってある。

三冠王はさらにその先。

とにかく今は、評価を上げながら、評価を下げる努力をしている。

たとえるなら、《明日のジョー》こと矢吹ジョーの、

《両手だらり作戦》と言ってよい。

　「こんな三振野郎、相手にしないでください」と語りかけている。