エレベーターとは、入口が一つの乗り物。たまに、二つのモノもある。
病院では、ストレッチャーを運び入れ、出す時に、
反対側方向に運ぶために、2方向にドアがあったりする。
羽田空港のエレベーターもやはり、2方向に扉がある。
いずれも、押すしかない大きなモノを運ぶ人たちが、
内部で回転できないからだ。
さて、先日泊まったホテルは、フロントが4階にあった。
そこに至るエレベーターにも2枚の扉があった。
ところが、羽田などのソレとは違い、
90度ずれた方向に扉がある。
つまり、角の右と左に扉があり、どちらかが開くのである。
どちらが開くのかは、明示されない。
したがって、エレベーター内で、身体ごとキョロキョロする動きとなる。
普段エレベーターに乗る時は、降りる時を考え、
奥に立つのか、入口近くに立つのか無意識でしている。
しかし、このエレベーターには出口が2つあるので、
《奥》という感覚が狂う。
しかも、普通はエレベーター内にいる人たちは同じ方向を向いている。
ところが、ここでは、じっとしている人達の向いている方向もまちまち。
「迷っている」
「身の置き所がない」
そんな雰囲気が伝わってくる。
「あのぅ、降りま~す」
この言葉をかけにくい。
ひょっとすると扉の一番前で待っているかもしれない。
違うかもしれない。
(え~~とぉ~)
とか、キョロキョロしている間に、扉が開いた。
(おっ、こっちか・・・)
慣れていない事には、新鮮な感覚で向きあえて楽しい。