イソヒヨドリが目の前の電柱で鳴いている。電柱の変電器の上で鳴いている。
イソヒヨドリとは、イソ(磯)と名付けられたように、
海岸近くの崖を好んで棲んでいる。
いわゆるヒヨドリとは違う種である。
鳴き方も全く違う。
とても美しい音色で鳴く。
と云う言い方をすると、
ヒヨドリの鳴き声が良くないように聞こえるが、
ヒヨドリは、群れて鳴くので、時にウルサイ。
イソヒヨドリは群れることなく、高い所で鳴いている。
崖が好きだという事で、海の無い県にまで進出し、
岩場を根城にしている。
すっかり磯の名前を忘れてしまっている。
我が家の前の電柱も、見晴がいいのだろうか、
お気に入りの一羽が、
同じ時間に同じ場所で、同じ音色を聞かせてくれる。
空色の背中と頭で、腹がオレンジ色。
かなりキレイな鳥だ。
ひと月前までは、近寄ると逃げたのだが、
いまでは、写真を撮ろうと近寄っても、知らんぷりしてくれる。
知らんぷりの表現は難しい。
猫や犬などの動物は、人を見る時、両目で見る。
なるべく正面で見ようとする。
ところが、鳥は片方の目で見ようとする。
仮にヒトが正面にいたとしても、顔を横に向け、
片方の目だけで見ようとする。
自分の正面にヒトをもってこない。
正面とは、飛んで逃げる方角だからだろうか?
横を向いている姿に、「知らんぷり」を感じるのかもいれない。