「イシマルさん、ツムジが3つありますネ」ドラマのメークさんに言われた。
え~~~~~~~!
長い年月生きてきて、自分の身体の事は、
全部知っていると思ってきた。
それが突然の、指摘!
2つあるのは知っていた。
本来後頭部にあるツムジと、前髪にあるツムジ。
ところが、後頭部の斜めの部分に、もうひとつあると言う。
「ホラッ」と言って、手鏡で反射させ、その部分の、
他とは違う方向に流れる髪の渦を見せてくれた。
ビックリである。
確かに、渦を巻いている。
台風情報の時に、いっときに3つ台風が生まれ、
それぞれに番号が振られ、めんどくさい動きをしている。
アレとそっくり。
これまで長い間、ヘアメークをドラマなどの時にやって貰っていた。
でも、誰も、指摘してくれなかった。
あまりにもメンドクサイので、言うのもはばかれたのかもしれない。
確かに、私の髪はネコっ毛だし、柔らかく、湿気に弱く、
メークさん泣かせの髪である。
ほおっとけば、後頭部が真ん中からパクッと割れるし、
前髪は《半分桃太郎髪》になるし、
メークさんの苦労に、頭が下がりっぱなしであった。
《渦が三つ》
しかも、回転する方向が逆だらけ。
高気圧と低気圧が逆回転するように、出来上がっている。
両親の頭を思い出しても、遺伝とは思えない。
幼少の頃に、いかなる不埒に及んだのだろうか?
子供の頃、方言では、《ギリ》と言った。
「ギリがふたつあるでぇ~」からかわれたものだった。
その頃、三つあるのを見つけられていたら、
どの様なカラカイを受けただろうか?
今のような能天気な大人になれなかったかもしれない。
いつも帽子をとらない憂鬱さを売り物にしたオジサン、
になっていた?・・・とは思えないのだが。
それにしても、なぜ頭には、ギリがあるのだろう?