山の中にある広葉樹の変わった紅葉。一部の枝から先だけが、黄色や赤に色が染まっている。
《なぜ一部が紅葉》2021年10月1日
このなぜ?がずっと疑問のまま続いていた。
誰かに訊きたい?
すると、先日、この方が山カフェにおいで下さった。
植物学者の《多田多恵子》さん。
山カフェに何度も通って、様々な植物の面白さを、
教えてもらっている熱い方である。
「アレはですネ」
まるで今それを見つけたような新鮮な話し方が始まる。
「枝の一部にキズが付いたりすると、その枝だけ、
切り離そうとする樹木の性質が働くのですネ」
早口なのだが、メリハリがしっかりしているので理解しやすい。
「切り離す前に、まだ緑色の葉っぱは、緑色の中に、
栄養が残っているので、勿体ないから、
その栄養を木の本体に戻そうとするのです」
なぜ、紅葉するのかの科学的な説明が始まった。
「葉緑素をもどすと、残った色が黄色や赤として残るんですネ」
ふむふむ、分かりやすい。
「でネ、栄養をほとんど木に戻してしまったアト、切り離すんです」
なるほど、それで落ち葉となるのか!
なぜ一部が紅葉し、あるいは全部紅葉し、
最後は葉っぱを全部落としてしまうという、
樹木のリサイクル事業の仕組みを教えてもらった。
長年の疑問が解けた。
サァこうなると、私のことだから、たぶん、この説をまるで、
自分が見つけたかのように、ヒトに喋りだすに決まっている。
立て板に水を流すように説明し、あるいは挿絵まで描いて、
「どうだ」とばかりに、鼻を高くしながら滔々と喋る絵面がみえる。
さらには、カタカナ語として、アントシアニンなどの用語を差し込んで、
科学的なバックボーンを背負わせようとまでするだろう。
このコーナーで、来年の秋になって又その話を始めたら、
「はは~ん、またイシマルの奴が、得々と自説のごとく語りだしたな。
誰も聞いてくれないものだから、仕方なくココに書いているんだな」
無視するか、こバカにするかして頂ければ・・・
私としては、一年後にさらりと忘れてもらって、
初めて聞く話として新鮮に、
「ふんふん」と身を乗り出して頂くことを願っているのですが――

雨飾山の一部紅葉