沖縄の海岸の、軽石。並みの量ではない。
それは想像をはるかに超えているという意味だ。
風が強まると、その風にのって浮遊物が運ばれるのは、
当たり前だが、軽石は、自然の物体としては、
《何の役にたっているのか》分からない動きをしている。
自然の中にあるモノは、たいがいの植物や動物、
そして鉱物は説明のつく成り立ちを、学者の研究によって、
解き明かされてきた。
ところが、この軽石。
果たして、どういう役目を果たしているのだろうか?
沖縄本島の、とある海岸にいた。
北西の風が10m以上吹いていた。
沖から、軽石が海岸の狭くなったビーチに押し寄せている。
波がダンブダンブと繰り返しうねりを送ってくる。
そのダンブが、ドボロン、ドボロンと云う音に変わっている。
ビーチで素直に打ち寄せ返すという動きをしていない。
まるでオロチがうねってとぐろを巻くような動きにみえる。
不気味きわまりない。
音も、ザバ~ンではなく、どぼどぼどろ~ん。
波打ち際で、遊んでいる時に、
「ダンパーに巻かれる」という表現をする。
波打ち際にいっきに崩れる波に人間がのまれる様子を、
言っている。
もし、この軽石の波に、巻かれたとしたら・・・
たぶん、溺れる。
足がたつ水深にも拘わらず、おそらく溺れる。
浮く為の浮力が足りなくなっている。
あがきより、軽石波の押しつぶすチカラの方が強い。
それらの軽石波を見ていると、あのSFテレビ番組を思い出した。
《ウルトラQ》
ウルトラマンや仮面ライダー以前の、特撮モノである。
この番組の特徴は、
誰か超人に頼るのではなく、
自分たち「人間の知恵と工夫でなんとかする」のである。
たった30分の番組内でなんとかするのである。
だから――
ぼくらも、なんとかしなければならない。
あの軽石は、何かの役にたつ為に噴きだされてきたに違いない。
何の役にたつのだろう?
もうすでに叡智は動き出しているだろう。
・海水より軽いのだから、海上空港
・壁や床の湿気とり建築素材
・軽い瓦
・水たまりができない道路素材
・ガスを透過する燃える石としての調理器具
・すりつぶして画用紙
・楽器!
・全部集めて、瀬戸内海に浮島をつくる

軽石のアップ写真(マクロレンズで)