
一番左が玉辻山
《玉辻山》たまつじやま 289m沖縄北部の山である。
あまり知られていないこの山へ向かう。
先日、名護市にある嘉津宇山(かつうやま)に登った折、
山中でお会いした家族のおかあさんに教えて貰った山だ。
「ブロッコリーみたいなのがポコポコ」
なんだソレは?
登山口などという立派なモノはなかった。
地図で調べた場所から、登り始める。
あくまでカンの登山となる。
お日様頼りと言えよう。
頂上がどこかなのか、どんな形状なのかも、よく分からない。
ただ、頂上から見晴しがよいと聞いた。
沖縄の山で頂上がひらけている所は少ない。
本島で最高峰の与那覇岳(よなはだけ)でさえ、見晴しはない。
歩き出して、この山の特徴に気づく。
枝分かれ道が多い。
やたら三叉路が現れる。
標識はないと思ったほうがいい。
一度だけ樹々の間から、遠くに三つのピークが目に入った。
三角形の尖ったのが山頂かな?
素直な感想が浮かぶ。
(これが、道迷いの発端だった)
一時間ほど、ガンガン登っていたところで、
何度目かの分かれ道にきた。
カンは右に行けと言っている。
尖った山は、そっちだと感じる。
行ってみた。
確かに尖った山のてっぺんに出たが、見晴しはない。
三角点もない。
元の三叉路に戻る。
左に向かう。
どうやら、アタリらしい。急斜面を登りつめると、先ほどの尖った山が、
下に見えるところに立った。
そこが山頂の端っこだった。
沖縄本島のやんばるの森が見えている。
モコモコと緑色の泡が沸いているような景観がひろがっている。
ほほ~コレがブロッコリーだったのか!
ひょっとすると、沖縄の人たちは、山の上から、
樹々の連なりを見る機会が少ないのかもしれない。
東北地方などでは、ブナの森がブロッコリーに似せてひろがっている。
それと似ている。
樹々の種類が違うので、《育ち過ぎたブロッコリー》と言える。
それしても、道間違いを何度もしてしまった。
ここは、地図読みと、コンパスが必需品だ。
いや今は、スマホのGPSで登るヒトが増えている。
それはそれで構わないのだが、電池の切れに注意。
太陽が出ていなくて、山道で迷うと、えれえこってす!
玉辻山から隣の迷い山を見おろす実は、見えている山と、今立っている頂上をそれぞれ2回登った。どちらが頂上なのか分からなかったので・・・