モノを送るというのは、お金も時間もかかる。なにより手間がかかる。
今、与論島に、ウインドサーフィンの道具を送ろうとしている。
鹿児島経由の船便で送る。
すると、梱包というややこしい手段が要る。
ウインドサーフィンの道具は、さして多くない。
しかし、私が使おうとしている道具は、多い。
なんたって風の強弱すべてに対応しようとしている。
つまり、島にいる間、そこに吹く風、全部楽しもうとしている。
となると風に対応するべく道具は、もの凄く多くなる。
大量の道具を壊れない為の防具に詰めこんだ。
試しに持ち上げてみた。
ひとつは、50キロを超えている。
いつぞや、台湾に遠征した折りには、総重量300キロになった。
さすがにそれほど多くはない。
しかし今、100キロ近い物体を移動させようとしている。
当然値段が張る。
キロ単位の送り料金が送られてくる。
数字を見て、ビックリする。
驚きたくないから、すこしでも減らそうとする。
実際減らしてみる。
「ふむ、軽くなったかも・・・」
そうしている内に、コレも入れたいアレも入れたいと、バッグに詰め込む。
あらためて両手で持ってみる。
ズシリ・・・重い。
たぶん、ビックリどころではない。
さらに、船で送るモノの他に、自分が乗る飛行機の手荷物(貨物),
の中に、制限ギリギリまで乗せさせて貰う。
旅としては、身動きが窮屈。
普段の旅では、カバンひとつ、リュックひとつで動いているのに、
長旅の時は、なぜか大げさになる。
その理由を思い浮かべると――
「全部遊んでやる!」
「朝から晩まで何もかも」という、欲張りな気持ちがそこにある。
晴れようが、雨が降ろうが、風が吹こうが、吹くまいが、
すべての時間を走り回ろうとしている。
「もうそろそろいいでしょ」
諭されるのだが、私に「もう」も、「そろそろ」もない。
あるのは、「いっそ」である。
重いというなら、いっそもっと重くしてみよう!
その重量分、遊ぶのだから――
てんで自転車も持った