年末の大掃除をしていたら、25年前の魚拓が現れた。《大アジ》
東京湾に大きなアジが棲みついている場所がある。
そこは走水(はしりみず)と呼ばれ、文字通り、
海の中で水が走っている。
海流が速いという意味だ。
どのくらい速いかと言えば、人が歩く速さをかるく超える。
水深60mほどなのだが、「川」に例えられる。
釣りをする環境ではない。
そこで、オモリを極端に重くし、海底に沈めるのだが、
大潮の時などは、釣り糸を水深の倍、繰り出しても、
海底に届かなかったりする。
そんな海底に棲んでいる魚は、大変である。
生涯ずっと懸命に泳いでいなければならない。
その為、肉体が引き締まる。
飯もいっぱい食べるので、どんどん大きくなる。
30センチ、40センチは当たり前。
そんな時、私の釣り針にかかったアジが、
冒頭の魚拓。
50センチの長さを知りたければ、
今、椅子に座っているなら、膝から床までの長さが50センチ。
(中肉中背の成人男子の場合)
「んなバカな」と思ったアナタはメジャーを持ってきて、
測ってみてください。
ついでに、フクラハギをもみもみすれば、
それが、アジの魚体だと実感できます。
こんなアジが海の中を闊歩している。
そして、アスリートアジは旨い。
10人前以上の刺身が、とれる。
間違っても、アジフライを造ろうなどと思わない方がいい。
パン粉までは付けられるが、天ぷら油鍋に入りきらない。
