「羽田空港のレストランは、かたよっている」
いま、おかしな事を言った。
JAL(日本航空)で、日本中に旅立っている。
(ANAでも旅立っているが)
JALに搭乗する場合に特化して話をしてみよう。
出発受け付けは、《ウイング》と呼ばれ、
日本の北の方角に向かう人は、《北ウイング》
南の方角に向かう人は、《南ウイング》に振り分けられる。
空港の構造を空から見ると、
まるで鳥が羽根をひろげたように見える。
んで、《ウイング》と名付けられたのだろう。
さすが空港、空から見るクセがあるようだ。
出発ゲートから南の1~北の34のゲートまで、
ズラリと並んでいる。
そして、北と南のウイングの待合所のそれぞれに、
食べ物コーナーがある。
私が今日?マークを問いたいのが、ソコなのだ。
北と南では、レストランの数がかなり違う。
では、まず私が頻繁に使っている南ウイングを見てみよう。
レストランと言ったが、
《蕎麦屋》が2軒。
片方の店では、ラーメンもうどんもある蕎麦屋である。
次に、北ウイング。
《寿司屋》
《蕎麦屋》
《うどんと中華》
《喫茶》
いきなり寿司屋が、朝の7時から営業している。
寿司屋ったって、回転ではない。
板さんが、頭に白頭巾をかぶり、鋭い視線で、
長包丁を扱っている。
注文も、握って貰いたいモノを言えば、
その場で握って貰える。
これまで回転寿司しか行ったことのない子供が、
自分の声で注文し、「らっしゃぁ~い」の威勢のよい声と共に、
目の前に、スッと出される寿司をつまむのである。
しかもそこは、ドアのある囲まれた店ではない。
自分の背中には、出発ゲートが並んでおり、
多くの、空の旅人が歩き回っている。
寿司屋のすぐ横には、うどんやラーメンやチャーハンなどの、
ガッツリ系の店が同じく、「らっしゃ~い」。
そうかと思えば、寿司屋の反対側には、
《おにぎり屋》が、「おいでおいで」をしている。
あったかいおにぎりが食べられるのか!
ならばと近づくと、醤油のいい匂いがしてきたではないか!
その先に、なんと蕎麦屋が!
あったか蕎麦はもちろん、盛り蕎麦までそろえている。
どうだろう――この一帯は、グルメでなくとも、
飛行機で旅立つ前の腹には、幸せ感に満たされる。
ん・・待てよ?
北ウイングはグルメ街、んで、南は蕎麦屋2軒。
この差はなんだろう?
北に向かう人と南に向かう人では、何が違うのだろうか?
何かが違うから、かような偏りの店の配置になったのだろう。
空港管理の方が、何かの偏りを感じとったとみえる。
あるいは、データをとりまくったのか?
そのデータを想像してみようではないか。
――観光客の場合――
《南ウイング》
・九州や沖縄などアッチに行ってから食べたい。
ほじゃけぇ、空港では食べん。
《北ウイング》
・日本海方面や北海道では、美味いモノは夕食。
ほんだば、朝に何か食っとくか・・・
――ビジネスマンの場合――
《南ウイング》
・今夜接待なんだよネ~だから胃袋空けとかなくちゃネ
南の人たちは、酒も食べ物も、
めいっぱい薦めてくれるんだよネ~
《北ウイング》
・今夜接待なんだけど、北の人たちは途中で断れば、
それ以上、無理には薦めてくれないんだよネ~
この辺りに、真実が潜んでいるような気がする。
――わたしの場合――
《南ウイング》
・とりあえず食っとこ。
《北ウイング》
・おお~寿司じゃないか、喰わいでか!
あったか蕎麦も汁ものとして、たのんで・・と。
んで、豚まんとか、とりあえず注文だけはしとこう!
おにぎりは持ち帰りでいいか!
え~とぉ、朝から会計は・・・・
4000円越えとるやないか!
ホンマグロの大トロとか炙りとか、朝から食うなヨ!
(このあと、北から南まで、数百メートルを、
走って帰り、飛行機に跳び乗ったのでした)