パソコンを買い替えて、そろそろ二カ月が経つ。通常であれば、「通常に」主人に仕えてしかるべき時間が過ぎている。
とっくにという言葉まで添えて過ぎている。
ところが、私に仕えるべきパソコン君は、義憤があるらしい。
問題ばかりおこす。
いまだまともに動いていない。
私の場合、電化製品との相性が極端に悪い。
常に問題が起こる。
その中でもパソコンとは、犬猿の仲ともいえる。
だからという訳ではないが、この度は、
《パソコン大臣》ということで、ツッシーをお迎えした。
ツッシーは、パソコンに関しては、プロである。
かなりのプロと言ってよい。
実に心強い。
ありとあらゆるトラブルを、これまでもヌグってくれた達人だ。
ツッシーに頼んで、パソコンが治らなかったことはない。
頼りがいのある名医である。
ところが・・・
新しいパソコンに不具合が出ると、すぐにツッシーがやってきて、
なんやかや解析し、たちどころに治してくれる。
「ありがとう!」の礼の言葉を聞くと、
にっこり目くばせをして帰ってゆく。
すると、しばらくしてパソコン君は、違う不具合を起こす。
次の週、再びツッシーが往診にやってくる。
滅多に起こらない不具合に驚き、それでもしっかり治してくれる。
「ありがとう」
にっこり
はからんや、ツッシーが帰った途端、
パソコン君はひねくれるらしい。
又、新たな病気になる。
次にツッシーが往診にやってくるまで、病気のまま。
次週、残念な顔をしたお医者様ツッシーが現れ、
指をしならせて診断。
治療、治癒。
帰る。
その帰りを待ってましたの如く、新たな病気になる。
ツッシーに言わせれば、どの病気も滅多にない稀有な事、
むしろ、信じられないほどの確立のことだと言う。
この状態が、一カ月半続いている。
そして先週、もう絶対に大丈夫という太鼓判を押して、
ツッシーが帰ったその夜・・
パソコン付属の、こいつまでもがおかしくなった。
《マウス》
反旗を翻したと言ってよい。
まともに動かなくなったのだ。
買ったばかりのマウスが、ヨロヨロとしか動かない。
まともに仕事をしない。
こんなことは初めてだ。
慌てて往診カバンを持って現れたツッシーもさすがに、
この異常現象には、匙を投げだしかけている。
次から次に起きる事件とも言える壊れ方。
これまで様々なトラブルを見てきた彼にして、
ありえない事のありえない乗だと、驚いている。
原因を考えていた彼の首が、ゆっくりこちらに回ってくる。
わたし・・・か。
私から、よくない何かの電波か、
負のオーラが出ているとしか思えない。
確かに私の近くにある電化製品はよく壊れる。
誤作動ばかり起きる。
私のパソコンの場合は、負の連鎖として極端な形で、
現れたのだろうか?
毎週、「これで大丈夫」と帰ってゆくツッシーを何度見ただろう。
その次の日、パソコンの前でうなだれている私が再びいる。
あまりのショックに、往診カバンを忘れていくツッシーがいる。
決してツッシーのセイではない。
セイを追求するならば、私の身体から出る悪い、
《何か》を調べた方がいい。
科学的で説明できない《何か》かもしれない。