写真を2枚見て貰った。この葉っぱは、神奈川県の大楠山242mの山中で見つけた。
春だというのに、黄葉している。
登山道に落ちていたので、見上げた。
幹は細いのだが、数mの高さまで、枝は伸び、葉っぱが生い茂っている。
その葉っぱの形状が、私を悩ませる。
写真でも分かるように、
《ミツマタになった葉っぱ》と《楕円形の葉っぱ》
私の知る限り、一本の樹に付いている葉っぱの形は、同じだ。
すこしだけ小さかったり、折れ曲がったりはしているが、
形状に変わりはない。
ところが、この樹の二つの葉っぱの違いは、著しい。
まったく別の樹から落ちたのかと、その木の下にいって、
生い茂る葉っぱをマジマジと見てみた。
青々とした葉っぱは、
ミツマタに分かれたものと、楕円形のモノが共存している。
大きさも様々で、その昔楕円形だったものが、
そのうちミツマタに分かれるという変化ではない。
《一本の樹の中に、形状の違う葉っぱがある》
こんな植物があるのだろうか?
だろうか?という疑問でアチコチ調べてみた、すると――
《異形葉》 いけいは と読むのだろうか、
そんな葉っぱがあるらしい。
私が見つけたのは、どうやら、桑(ヤマグワ)の樹のようだ。
蚕が食べる桑が、山中に自生しているとみえる。
なぜ、葉っぱがそうなるのか?
まだよく分かっていないらしい。
研究中なのだという雰囲気がプンプンする。
ここはひとつ、山カフェでおなじみの、
植物学者、多田多恵子先生にお訊きしなければなるまい。
この方の素晴らしいところは、何を訊いても答えが返ってくる。
それも科学的に検証された答えが、瞬時に戻ってくる。
私のように、いい加減な知ったかぶりの返事をしない。
頼りになる学者さんだ。
知ったかぶりの私の声は、大楠山の山中に響いていた。
「みんな!これはひょっとすると、世界的な大発見かもしれないゾ。
落ちている葉っぱを持って帰って押し葉にしておこう!」
二種類の形状の葉っぱ