私は、大酒呑みではない。その言葉を転用するならば、小酒呑みと言えよう。
もっと転用するならば、《常酒呑み》にしておこう。
一年365日、酒を呑むようになって、30年以上になる。
毎日毎日、酒と言う名のアルコールを体内に取り入れている。
これは、習慣ではない。
まして薬物のような無くては暮らせないといった、
「よりどころ」でもない。
単に、旨いから呑むという、舌つづみ系ののんべえである。
この舌つづみに必要なのは、肴(さかな)である。
肴が、魚であった場合、目じりが下がる。
人生の大きな時間を、魚探しに費やしている。
昨日も、魚屋で、コレを見つけた。
《ウマヅラかわはぎ》
一匹、買い求め、自分でフグ造りにしてしまう。
上品なキモを溶いて、ネギとカボスでいただく。
となると、日本酒の登場となる。
日本全国、あっちゃこっちゃから仕入れた日本酒が、
冷蔵庫の中に転がっている。
今夜は、《浅間嶽》でいきましょうか・・
先日、浅間山登山におもむいた際のいただきモノだ。
チビリ 深い
日本酒とは、刺身を食べる文化が産んだ産物なのだろうか。
お酒を呑まない方には、ずいぶんふざけた理論であるが、
少なくとも、料理屋の板さんは、そのつもりで造っていると思われる。
お酒を呑まないという時期がずいぶんあった私は、
刺身をご飯で食べていたのであるが、充分満足をしていた。
ところが、いったん酒の味を覚えた30代中盤から、
刺身には酒が最も合うと、確信を持った。
魚には、その気がないのは分かっていても、
《共鳴》という響きを認めたい。
魚と酒の共鳴。
「どちらとも相手をもっと旨いモノにしてしまう」
さて、日本酒とウマヅラカワハギのキモつき刺身は、
いかなる共鳴をするのでしょうか・・・
なんども食べているにもかかわらず、
毎度、感動するひとときである。
ウマヅラの頭のうしお汁