《ペリカンマンゴー》このマンゴーの食べ方は、これに限る。
~台所でのかぶりつき~
まず、ペリカンマンゴーをバナナ剥きする。(冒頭写真)
最初のひとかじりは、先っちょの2センチ。
すると、先に固く平たい種が出てくる。
ここを指でつまみ、クルリと上下逆さまにする。
次にバナナの皮ならぬ、お尻の部分をはぎとる。
はぎとったお尻の部分にかぶりつく・・同じく2センチ。
やはり薄っぺらい種が出てくる。
ここを反対の手の指で掴む。
するとどうなる?
今、種の右端と左端をつかんでいる。
その間に、黄色い実がタワワにふくらんでいる。
原始時代の漫画ギャートルズに出てくる、骨付き肉に似ている。
さあ、台所のシンクの上にしゃがみ込もう。
汁が垂れてもいいように、首をさしだし、下目使いになる。
ここからは、口でかぶりつくと言うより、
歯でこそぎ取るイメージでのぞみたい。
特にアゴに近い方の歯を活躍させたい。
下から上にこさいで、口中にとりこむ。
ブルドーザーで柔らかい土砂を下から掬っている感覚でいきたい。
なぜ下からなのかと言えば、
もし上からショベルカーのように、こそいでやると、
失敗してシンクに落としてしまう可能性があるからだ。
(実際、過去に落下事件があった)
マンゴーの場合は上からのショベルカーより
下からのブルドーザーを使おう。
片側をこそぎ終わったら、クルリと反転させ、反対側にかかる。
ここまで、1分が経過している。
もっとゆっくりしても良いのだが、あまりのろい作業では、
前かがみしている腰に負担がかかる。
ほどほどがよろしいようだ。
さて反対側も全部こさいだ所で、いったん顔から種をはなす。
遠くから見て、土木作業の進捗状況を確認する。
現場監督のつもりになるのが正解。
あまりの旨さに、いい加減にこさいだ形跡が逆にうれしい。
仕上げの楽しみが残っている。
仕上げは、お尻の方を片手に持ち、
ソフトクリームをなめる時の要領で、こさいでゆく。
これも、端っこを持ち替えながら、種の両面をくまなく、こさぐ。
できた!
(食べたではない)
マンゴーの種の彫刻が「できた」のである。
ゆっくり体をおこし、種をゴミ箱に放り込み、
(えっせっかくの彫刻捨てるのかい?)
気にせず、洗面所に向かう。
顔を水で洗う時間となる。
マンゴーの汁が口の周りにへばりついている。
丁寧に懸命に洗いましょう。
フィニッシュは、歯の間に詰まった繊維のスジ。
ブルドーザー使用時には、スジが下の前歯に刺さる。
歯間ブラシでコシコシやりましょう。
なんやかや――
5分間のペリカンマンゴータイムでした。