月に、なんどもホテル暮らしをしている。となると、朝食が楽しみになる。
昨今、ほとんどが朝食バイキング。
あるいは、半バイキング。
半とは、主おかずだけ指定して、あとはバイキングとなる。
魚の干物焼
ハンバーグ
目玉焼き
自分の好きなものを指定するというシステム。
さて、バイキングの料理をハイエナのように集めてくると、
テーブルに並べて写真を撮る。
意味はないのだが、あとで、食が細った時の参考になるだろうと、
医学的な意味で、写真におさめている。
時に、ジュースが増えたり、
納豆が増えたり、
味噌汁とスープ、ふたつとったり、
カレーとシチューをふたつ並べたり、
これはあまりお勧めできないのだが、好きな卵料理を集めたりと、
テーブルが賑わう。
バットも2枚必要となる。
いま、好きな卵料理と言ったが、これは食べすぎると良くないと、
医学関係の人にたしなめられたので、
滅多にやらない行為なのだが、ついやってしまう行為とも言える。
なんたって、大好きな卵がありとあらゆる料理法で、
おいでおいでをしているのである。
スクランブルエッグ
目玉焼
だし巻き卵
ゆでたまご
オムレツ(目の前で作ってくれる)
温泉卵
魅力的な色合いのごちそうが、ズラリと並んでいる。
これを見て、採らない方はない。
(今朝だけは)
《だけは思想》で、とりこんでゆく。
そしてよせばいいのに、納豆の横に置いてある、
《新鮮産みたて生卵》なるモノを見つけると、迷わずトレイにのせる。
テーブルに戻り、両手を合わせて冷静に見ると、
7種類の卵料理がそこにある。
7つなら、一週間に分けて食べた方が体に良い数の卵。
「いただきま~す」
もちろん最初に、目玉焼きの上にぶちまけている、
スクランブルエッグを箸でグチャグチャする。
その横には、通常ケチャップがかかっているハズのオムレツには、
なぜか温泉卵がのっかっている。
よく見たら、だし巻き卵の切断面も見える。
ここに、ゆでたまごの殻を割って、参加させようと言うのだ。
もはや、皿の上は文字通り、スクランブル!
渋谷の交差点に卵たちがカーニバルにやってきた様である。
卵の無法地帯と言いたい。
まさか、ここに生卵をかけようなどとは、思わない。
生卵は、納豆の方で活躍してもらう。
ここまでくると、箸が役に立たなくなる。
しかして最初から用意周到にトレイに乗せていた、
カレー用のスプーンをとりだす。
もはや主役はいなくなる。
卵に貴賤はない。
口内、卵の歌えや踊れの乱舞・・・
しばらくして、ほかの料理にも目をやる。
食べられるのを待っているたくさんの料理たち。
ん・・コレは?
陶器の器を持ってきているじゃないか。
これって・・・ああああああ!
《茶碗蒸し》!
私は無意識のうちに、もう一つ卵料理を持ってきていたのである。
これを食べるには、小さなスプーンがほしい。
ふたたび席を立ち、料理コーナーへむかう。
そこで私が見つけたのは・・・・・
《カニ玉》

卵 控えめ