~~~昨日のつづき~~~
ホームセンターと呼んでいるが、その昔は、
《日曜大工の店》という呼び方をした。
プロでない方が、休みの日に大工仕事をする為には、
この店に行けば、何でも揃うと安心して出かけたものだった。
その店に今では、酒はおろか、化粧品に、野菜まで売っている。
ウキウキした気持ちは、要らないモノまで買ってしまう。
とはいえ、本人は、要らないとは思っていない。
いつかきっと日の目を見るモノという強い想いで買っている。
車庫の棚に、ドデンッと置かれてあったモノ、それは――
《サンダー》 冒頭写真
頭の部分に丸い金属の板がついており、高速で回転する。
胴体を片手で握り、カットしたい金属や、
サンディング(削り)たいモノに近づける。
ギャ~~~~~~ン
きわめてウルさい悲鳴のような音を立てて、それは回る。
ゴム手袋をしているのだが、常に不安を感じながら動かしている。
目にはゴーグル、口にもマスク。
時にはヘルメットもかぶっている。
暑くない日には、ツナギの服に、ゴム長靴まで履いている。
これまでホームセンターで衝動買いしたものの中で、
最も使用頻度が高い、人気のマシンだ。
金属はおろか、木材も削り、プラスチックもレンガまで削っている。
以前、夜光貝を磨いたのも、このサンダーマシンだ。
おかげで、微妙なサンディングもマスターし、
ケガをしたこともない。
ただし、ご近所様には、ご迷惑をかけている。
高音の悲鳴音は、神経にささる。
ピアノがうるさいと言っても、それはわたしがヘタくそだからに過ぎない。
しかし、サンダーにヘタもうまいもない。
ただうるさい。
試しに、ハイエースの中にこもって、使ってみた。
かなり音は小さくなったものの、残り屑の掃除がえらいこっちゃだった。
おまけに熱がこもり、大汗をかいてしまった。
面白いことに、このサンダー、15年ほど使っている。
にも拘らず、壊れもせず、買い替えたことがない。
生涯一回しか使わないモノもあれば、
このように、嬉しいモノもある。
ホームセンターにはまだまだ宝物が埋まっている。
よし、ここ惚れワンワン、今日も行くゾ~
いや違う、私は何を買わねばならないんだっけ?
昨日語っていたのは――?
これは、何というマシンだっけ?