旅先で夕食に悩んだら、中華のドアをあけるようにしている。和食を食べたいのだが、和食の店はピンキリだ。
キリが悪いのではなく、その日の体調が読めない日は、
とりあえず、中華に救いを求める。
中華料理屋は、ほぼ一定している。
豪華な中国料理屋を標ぼうしていない限り、
餃子は餃子だし、スブタはスブタだ。
さほどのひらきはない。
接待も一定している。
ものすごく親切でもないし、ものすごく雑でもない。
金額も、ほぼ一定と言えるだろう。
中華屋でよほどの事がない限り、ひとり一万円は食べられない。
酒類も、選ぼうにもビールと紹興酒しか置いてない。
最近は焼酎を置いている店も増えたが、まあ、痛飲することはない。
どちらかといえば、呑む店ではなく、食べる店という感覚。
そこに和食との違いがある。
私のお気に入りは、台湾料理である。
豚足や豚の耳などの煮物は、それだけあれば満足する。
店に入るなり、その二品とピータンを注文して時間が過ぎてゆく。
野菜も食べなきゃとメニューをめくる頃には、紹興酒が、
いい感じで体をめぐり、幸せ感で、舌が回らなくなりかけている。
「豆苗炒めと餃子を」
注文したくせに、途中で
「おみやにしてください」
やはり食オーバーだったらしい。
「飲み残した紹興酒の瓶、持って帰っていいですか?」
「はぁい、いいですよ」
結局、ホテルでひとり二次会を始めるんじゃないか。