~~~昨日のつづき~~~旅のお供として、粉末醤油を持ち歩く話をした。
粉末という言葉に、私の脳みそが反応した。
そういえば・・・
50年ほど前、ありえないような粉末モノがあった。
《粉末日本酒》
当時、私はお酒を呑まなかったので、詳しいことは分からない。
しかし、売りに出されて、仲間たちが騒いでいたのを覚えている。
特に、山に登る人たちの声が打ち震えていた。
山道具がまだものすごく重かった時代である。
ひとり20キロ担ぐのは当たり前、縦走ともなると、
30キロ以上の荷物を背負ってあるいていた。
今だから分かるが、山の中でどうしても、
酒が呑みたい人たちが大勢いた。
酒は一升瓶で売られていた頃。
ペットボトルという軽いモノが無い時代。
ビニールに入れて持ち上げる訳にもいかず、
只でさえ重いザックに、一升瓶を差して登る姿を何度も見た。
一升を担いだところで、一晩で呑んでしまうのだろう。
彼らの無駄骨に近い苦労を横目で見て、
あきれていたものだった。
そんなある日、《粉末日本酒》販売のニュースが流れた。
おそらく酒好き登山家は、2mくらい飛び上がったと思われる。
脱兎のごとく酒屋に走っただろう。
買い求め、家ですぐに飲んでみたに違いない。
こころを鎮めて、おちょこを口したと想像する。
・実際それはどうやって日本酒に戻すのか?
・どんな味がしたのだろうか?
・アルコール分はあるのだろうか?
・酔うことができたのだろうか?
その疑問は知らされないまま、今に至っている。
販売がされ始めてホンの数年、短時間で粉末酒は消えた。
おそらく販売しなくなったと思われる。
そういえば、どこのメーカーが作ったのだろうか?
画期的な発明だったハズ。
もし、優れたモノであったならば、今でも売られているハズだ。
呑んだことがある人に聞いてみたい。
「酔っぱらいましたか?」
酔わなかったが二日酔いだけは残ったという返事だけは、
聞きたくない。

金沢 屋台村