昨日、一昨日と、《究極の晴れ男》の話しをした。では、私は常に雨が降らないのか?
そんな奴はいやしない。
究極と冠をつけているのは、《仕事の日》にという限定だ。
それも外ロケの場合をさしている。
では――いつ雨が降るの?
残念なことに、プライベートでは、雨が降る。
誰もと同じ確率で雨が降る。
普通の男に成り下がる。
だから、プライベートで山に行く場合には、やたら、
気象情報に詳しくなる。
ところが、これがいったん仕事という名前が付けられると、
晴れるのである。
たまに山ロケの場合、お天気の予備日を設けているのだが、
予備日を使ったことが、ほとんどない。
使わずして、晴れるのだから、スタッフも嬉しい。
そのご褒美として、私に、《究極の晴れ男》なる称号をいただく。
といっても、その称号を使っているのは、私に過ぎないのだが・・・
「え~遊びだと雨なんですか?」
はい、私と遊びに行くときは、気を付けた方がいい。
雨男ではないので、さほど心配はいらないが、
《究極の――》を期待して一緒に出かけると、
車のワイパーが動いているのを見て、「うっそ!」となる。
なんで仕事の時だけ、究極なの?
その答えは、たぶん子供の頃にある。
小学生の頃、時折、風邪をひいた。
学校に行く日に風邪をひいたことはなかった。
なぜか、休みの日になると風邪で寝こんだ。
熱が出るのは、必ずと言っていいほど、休みの日。
せっかく楽しい楽しい休み。
海に行きたい、山に行きたい、釣りをしたい、野原で遊びたい。
その想いが体に負荷がかかるのだろうか、
前日の夜、熱が出る。
熱がひくのは、お休みが終わる頃。
毎度のことに母親は、うなだれていた。
「ダメな子ねぇ~」
残念な子である。
この体質は、大きくなっても残っている。
仕事と名の付くに日に、風邪をひかない。
風邪をひくのは、たまにある長い休みの時だ。
《長い休み》とは、普段は行けない旅行に行くときとも言えよう。
その旅先で風邪をひく。
「それは油断だよ」
助言をいただく。
その通りかもしれないし、子供の頃からの体質かもしれない。
いまでは、風邪そのものをひかなくなった。
その分、《休みの日》=《仕事でない日》に雨が降るようになった。
これは、《仕事の日》に晴れるという究極を支える代償である。
天のイタズラかもしれない。
はは~~ん
ここで、アナタはハタと膝をうつ。
「イシマルさん、それで遊びを仕事に組み込んだんですか?」
ドキッ
「そうすれば、遊び中が晴れになるから」
痛いところをつかれる。
確かに、山登りロケを仕事に組み込めば、
おっしゃる通りに、晴れる!
一昨日、友達のシンちゃんと、鎌倉一周防御線ハイク。
18キロ、8時間を計画して、朝3時に出かけたら、
雨粒がおちてきて、中止となった。
すなわち――プライベートだったからである。