《利尻岳頂上」
《日本百名山》深田久弥氏が書いた名作として、名高く、
多くの登山者が、100の山にチャレンジしまくっている。
私も、チャレンジはしていないが、先日数えてみたら、
60いくつの百名山に登っていることが分かった。
さて、その中で、最も北に位置する山が、
北海道の利尻島の、
《利尻岳》 りしりだけ1721m 利尻富士の名前ももつ。
この山は、100名山の中でも、最後に登られることが多い。
最も南に位置する屋久島の、
《宮之浦岳》みやのうらだけと双璧である。
90を超える百名山を走破したと豪語する方も、
この二つがどうしても残ってしまう。
理由は、日本列島の中の位置だ。
そうそう簡単に行ける場所ではない。
時間もお金もかかる。
しかも、どちらの山も、登山口から頂上までの距離が長い。
孤島という条件がある為、登山口が海辺に近い。
どうしても、歩行距離が長くなる。
いわゆる累積標高差というヤツだ。
例えば、百名山の中で、《乗鞍岳》
北アルプスの南に位置するが、バスで8合目まで行ける。
3000mを超える山なのに、誰もがピクニック感覚で、
出かけられる。
その正反対なのが、この二つの山だ。
さて北の横綱《利尻岳》に登ろうと思い立った。
7月の上旬は高山植物の花が咲き乱れていると言うではないか。
・いかいでか。
登山者ばかりではなく、観光客もどっと押し寄せる為、
ホテルなどが満杯になるらしいではないか。
その上、コロナを克服する為、《お帰り〇〇》という特典があり、
さらに混雑するそうではないか。
・キャンプ場があるのでなんとかなるゾ。
しかし、この時期は、あまり天気が良くないと言うではないか。
・究極の晴れ男いかいでか。
行けると思った時が、行ける時。
山登りの感覚は、こういう時に発揮できる。
登山口の2合目、標高200mちょっとから登りだす。
3合目に湧き水があった。
《甘露泉水》 かんろせんすいと読むのだろうか。
行きがけになにげなく少しだけ口に含んだこの水が、
のちに私の記憶におおいに刻まれることになる。
利尻登山には、水を最低2リットル持ってゆけと、
案内書に明記してある。
確かに見た。
しかしながら、北の最果ての地、涼しいだろうと高を踏んだ。
1500mの標高差を登るには、リュックを軽くしなければ、
そっちに比重を置いた。
そこでペットボトルをリュックから下ろし、1リットルだけ入れたのである。
さてさて、楽しい登山は続く。
利尻富士と名を名乗るだけあって、行程が長い。
登っても登っても、次の合目が出てこない。
なんやかや、8合目にたどり着いたところで、水がほとんど無くなった。
理由は、私が来たから晴れたのである。
泊っているキャンプ場の支配人がのたまった。
「この時期、晴れることは滅多にありませんネ、珍しいです、アハハ」
アハハの笑顔は嬉しかったものの、暑いではないか!
水が足らない。
ど・どうすればいいんだ?
しまった、今日は早くも紙面が尽きた、また明日~
エゾカンゾウの花