
《コマクサに蜂が》
蔵王も花の山である。
あれだけ真冬に雪が降り、あれだけなだらかな稜線を持っていれば、
高山植物がほおっておくハズがない。
頂上からお釜に至るたおやかな峰は、パイオニア植物、
《コマクサ》の群生地であった。
パイオニア植物とは、火山などでできた原生の台地に、
最初に芽を出し、叢をつくり、ほかの植物に必要な、
土を造り出す役目をする。
彼らが居なければ、火山性の土地はいつまでも荒野のまま。
いずれ、彼らが造り出した土に種が飛んできて、次の草花が生え、
木が生えてゆく。
ハイマツが覆うようになるのに、数千年以上かかるだろう。
万かもしれない。
そして、コマクサは、有機物を嫌う。
他の草たちが造り出す有機物、つまり枯れ葉とか根っことかを嫌う。
という事は、ほかの草が生え始めると、
コマクサは死滅してしまう。
パイオニアの役目を終えるのである。
悲しい運命を抱えて高山の過酷な気候で戦っている。
っと、言うと、「それは大変だ」、となるのだが、
彼らはそこが好きで生まれ育っている訳で、
苦労している感覚はないだろう。
それにしても、あの環境で、
なにゆえあのように美しい色の花になる必要があるのか?
誰に、何に、見せているのか?
蜂だの蝶だのに受粉をしてもらいたいのは分かるが、
もっと地味な花でも目立つのではないだろうか?
荒野に緑の台座を敷き、ピンクの花を掲げている。
コマクサが、《高山植物の女王》と呼ばれるのも納得できる。
青空バックに蜂が飛んできた写真(冒頭)
蔵王のお釜の緑をバックの写真を最後に。

お釜をバックにピンクのコマクサ