北海道には、チャリダーが多い。いつかは北海道一周!
そんな気持ちが湧き上がるのか、
国道、道道を走る自転車をひんぱんに見る。
道道と言ったが、北海道は県道ではないので、道道。
東側を走っているのは道東道(どうとうどう)
馬を追っているようで、子供は喜ぶ。
真ん中を走っているのは道央道(どうおうどう)
私も喜ぶ。
チャリダーは単独が多い。
同じレベルの仲間がいなかったのか、それとも、
きつい坂道は、ひとりで何とかしたいタイプなのか、
あるいは、長い連休を取れる友人がいなかったか――
北海道の道は、延々つづく。
台地がノペ~としているようで、意外や坂道が多い。
適度な坂道があらわれ、適度に下ってゆく。
ほとんど荷物を積んでいないヒトは、一日の距離が長い分、
それで日帰り的なやり方だろう。
時に、ひっこしと見まごうばかりの荷物を、
振り分けで積んでいる自転車野郎にであう。
一周組だろうか?
一カ月分と思えるほどの荷物だ。
急坂を必死でこいでいる。
いまのところ、降りて押して進んでいる人を見ていない。
押すくらいなら、こいだ方が効率が良いのを知っている。
その昔、大分県の高校生だった頃、クラスの仲間がふたり、
九州一周を企てた。
同日に出発し、かたや北方向、かたや南方向に走り出した。
つまり九州をグルリと反対向きに回るのである。
携帯もなにも無い時代、どこかで出会うだろうという、
非常に無茶な邂逅を約束して、旅だった。
なんせテント泊であり、地図すら持たず、太陽を見て走る、
という青春のお馬鹿を二乗したような夏休み。
はたして――
ふたりは、熊本県のとある道端でばったり!
《面白いことは、計画をきっちりするより、まず動け!》
この格言が教えてくれる。
(そんな格言あったか?)
本格的なチャリダーではなく、
団体で道道を流している人たちもいる。
自転車も、ロードからマウンテン、ママチャリ的と、さまざま。
実は、私もハイエースに折り畳み8段変速のチャリを積んでいる。
気持ちのよい日には、キャンプ場からチャリでおでかけ。
背中にリュックを背負い、買い物がてら。
これが、いいようで災いを生む。
出かけたものの、天気の良さと、景色のよさに、
ついつい遠出してしまう。
まっすぐのなが~い坂道を、ピュ~ンとくだり・・・
しかも追い風でどんどんくだり・・・
はっと気づくと、なん10キロと来てしまった。
輪を描くように走るつもりが、北海道の直線道路のワナに、
はまってしまった。
・あの先はどうなっているんだろう?
・いつ曲がるのだろう?
都会であれば、どこかの駅で列車にとか、タクシーとかの手があるが、
北海道にそんなお気楽は無い。
帰りは、ただただウンセウンセとペダルとこぐしかない。
向かい風に立ち向かうしかない。
教訓:高い丘の上のキャンプ場に泊まるのはやめましょう。

