時に、朝焼けに、心が大騒ぎをする。「朝焼けは雨の知らせ」
昔からの観天望気なのだが、そうとも限らない時には、
驚かんばかりの朝焼けが出現する。
東京湾にポツンと建っている、《海ほたる》にしばしば車をとめる。
千葉県でロケがある時には、早朝に向かう。
東京側から訪ねると、海底トンネルを抜けたとたん、
空が真っ赤に染まっている。
慌てて、5階までかけあがり、デジカメの電源をいれる。
東の空が、すさまじい焼け方をしているではないか!
まったく人がいない早朝のデッキで、指先で連写する。
何枚撮ってもほとんど同じなのだが、
一秒ごとに染め方の違う《朝焼けショー》を収めてゆく。
秋の夕焼けと言うが、朝焼けも同様だ。
朝焼けの場合、みるみるうちに、終わってしまう。
夕焼けのように、「まだまだ・・」という後引きがない。
「はい、おしまい」
お日様が顔を出せば、終いとなる。
朝の忙しい時間には、親切なショーであり、
遅刻の言い訳にならないショーとしては、優れモノ!
私は、デジカメで撮った写真をいじらない。
色など、そのまま。
多少加工するとすれば、《水平》だけは、きちんとしている。
最近はスマホで撮った方が綺麗なのだが、
タイムリーを重視しているので、デジカメは、はなせない。
「さっと取り出し、片手で撮れる」
秒殺というタイムリーである。
たとえば、山の中で、目の前に希少な鳥がとまっている。
サッ
胸のポケットから取り出し電源を入れ、
シャッターを押すのに要する時間は、2秒!
パシャッ
もし、電源を入れたままだと、1秒!
スマホだと、こうはいかない。
感覚としては、ウエスタン映画のガンマンである。
《夕陽のガンマン》の映画を観て育った私は、
《朝陽のガンマン》を気どっている。