「いや~夜中に眠れなくてネェ~」ずっと起きてた、と嘆いている方がいる。
一度トイレに起き、それから数時間眠っていない、と言う。
ずっと何かを考えていた、と言う。
ほんとにそうだろうか?
たしかに、ずっと何かを考えていたような気もする。
そこで実験をしてみた。
一度起きたあと、2時間後に目覚ましをかけた。
すると、明らかに睡眠中に目覚ましが鳴ったのである。
本人は、起きていると思っている最中だった。
何かを考えている最中だった。
目を完全に覚ますのに努力がいった。
辛かった。
ここで分かった事がある。
起きていると思い込んでいた状態とは、
半分眠っている状態であった。
少なくとも身体は、眠っている。
「いや、寝返りばかりうってたヨ」
たしかに寝返りはうっていたが、長いスパンの時間の中で、
時折り、うっていたに過ぎない。
完全に眠っている訳でなく、うつつの状態が続いている。
おそらく、ベッドの横でビデオを回していれば、
イビキがしばしば聞こえたハズだ。
起きたり、眠ったりしながら時が過ぎている。
そうでなければ、4時間も5時間も、
眠らずに時間が過ぎるのは、あきらかにおかしい。
いっそ起きてしまったらいいだろう。
そう考えて起きるようにしてみた。
すると、昼間に居眠りばかりするようになってしまった。
これは失敗。
この昼夜逆転は、すぐに治った。
昼間、山の中を長時間ガシガシと歩いた夜、
目覚めることもなくグッスリ眠れ、
一夜にして逆転し、戻りましたとサ。

ホテルの掛け絵