《むかご》秋の山を歩いていると、ムカゴを見つける。
それは、山芋のツルに付いている、《山芋のこども》である。
コレが落ちて芽を出し、山芋となる。
ツルは、細長いハートの形をしている。
それを見つけるのは難しくはない。
ムカゴを知ってさえいれば、ツルを探してプツプツとした、
丸っこい実を見つければよい。
ただしコレを採るのは、簡単なのだが、安易に手を出すと、
触っただけで、ポロポロと剥がれ落ちるので、注意!
下に落ちると、雑草だらけの崖だったりして、拾えない。
丁寧に採る。
ひとツルも採れば、充分。
季節的には、アケビの実と同じ頃である。
「えっ、アケビの季節が分からない?」
ほんじゃ、道の駅に《ムカゴ》が並んでいれば、
かろうじてまだ山の中にあるでしょう。
「えっ、知ってるけど見つけたことがない?」
それは、誰かに採られてしまったからだと思う。
山芋のツルは、ほかの蔦や、樹にからんで伸びている。
そのツルを下にたどって地面を掘れば、長く伸びた山芋が採れる。
しかし、ほとんどのツルに立派な芋(根っこ)ある訳ではない。
30分も掘ってやっと、ゴボウより細い1本なんてのはザラ。
ツルが枯れ落ちる頃まで待つ気の長さがいる。
しかし、ツルが枯れると、どこに山芋があるのか分からなくなる。
そこで、昔、小学生の頃には、春先に、ツルを見つけたら、
稲のモミを数粒、ツルのすぐ横に撒いておく。
秋になると、稲が目を出し、数10センチに伸びる。
その場所を掘るのである。
と言っても、見つかるのは、数か所にひとつほど。
モミは日陰では、なかなか育たない。
「んじゃ、目印でも立てればいいのでは?」
はい、その通りなのだが、目印は誰もが見る。
「はは~ん、この下に山芋があるナ」
誰もが考え付く。
ま、とりあえず、《むかごご飯》を楽しみましょう。
潮蒸しだけでも、酒のつまみになるでしょう。
そして、頻繁に登場した《誰》とはだれなのか、
誰に先に採られてしまったのか、
突き詰めて考えるのはやめましょう。

秋の花 ホトトギス