先日、山仲間が集まる、《ベース》と呼ばれる、とある基地にお邪魔した。
都心からかなり離れた山の中、古民家をそのままにお借りして、
会議と称して、山を語る集いである。
近場の山に登り、夜はビール片手に鍋をつつく。
近在のスーパーで買い求めた具材を煮込み、
自由な鍋をつくる。
料理係りを私がやらせてもらった。
さて、さんざん酔いも回り腹もふくらみ、仕上げに雑炊をつくろうと、
会議は全員の賛成を得た。
山道のように道はひとつだった。
火を弱くしている大鍋には、汁がたっぷり。
具も少しだけ残っている。
となると、《米》だ。
その時になって、皆が米をたくことを忘れたことに気づく。
雑炊に米がなくては、いかんともしがたい。
・・っとリーダーが、後ろにある棚を指さした。
軽い腰をあげて、棚に歩きよると、そこには、
レトルトパックの米が、置かれてある。
とはいえ、あまり見た事のない包装だ。
クルリと裏返し、製造年月日を見る。
3年前・・・ま、いっか・・・
9年前・・・・・・う~ん、どしよか・・・
14年前・・・・・・・・
いならぶ山男たちは、知らんぷりをしている。
リーダーは、食べる気満々!
はいはい、料理担当のわたくしめが、袋をバリバリと破り、
乾燥米を鍋に投じた。
グラグラと煮たったところで、大量のネギを放り込みフタをした。
「は~い食べるヒトぉ~」
なんと、手があがるあがる、器を差し出す差し出す。
出来上がったソレは、素晴らしく美味しかった。
望むらくは、山の上で食べてみたかったほど。
理解したのは、
・雑炊には、タイ米などの乾燥米が向く。
さまざまな味の汁を思いっきり吸ってくれる。
・レトルトの古さは、《積極性》が忘れさせてくれるチカラを生む。
(決してマネをしないように)

製造年月日なのか 消費期限なのか