《売る明和師》
今、《うるめいわし》と書こうとして、変換したら、冒頭の漢字が現れた。
あっそってんで、無視しようとしたのだが、
こういう人がいても、面白いなと、腕組みをしてしまった。
明和という職業があり、その方を明和師と呼ぶ。
彼は、なにかを売ってナリワイをたてているらしい。
明和という元号は確か、江戸時代にあった気がする。
ゆえに江戸の街中を闊歩していた職業だろう。
・明治村
・大正館
・昭和の街
元号を付けた観光地はあまたある。
としたら、明和の場合、職業《明和師》がいても不思議でない。
何をする人だろうか?
想像がふくらむ。
江戸の元禄の頃だから、時代を読み込む人かもしれない。
今で言えば、令和の世相を語る人かもしれない。
「すみませ~ん、こちら令和師事務所でしょうか?」
「はいそうですよ、ご用件は?」
「子供にさせるスポーツは何がいいでしょうか?」
「勉強しなさい!と言いなさい」
「えっ?」
「そうすれば、やりたいスポーツを自分で言います」
「子供が魚を食べるのをイヤがるんですが・・」
「イワシを食べさせなさい」
「だから魚は・・・」
「ウルメイワシを買ってみなさい」
スーパーにウルメイワシが売られている。
非常に鮮やかな青々した姿で、目がパッチリしている。
脂がのっている魚ではなく、身の張りが素晴らしい。
「明和師さん、ウルメイワシを見た事ないんですが」
「私が、売る明和師じゃわい、ワハハハ」
おあとがよろしいようで・・・