~~今日から4日間、お話しが続きます~~ まず今日は、江戸っ子の横丁のご隠居に登場願おう。
時にヨ、羽田空港に足しげく通いますわいなぁ~
ジャルの北ウイングっちゅう所に朝早く行くってぇと、
6時半から、寿司屋が店出してやがんだなぁ。
寿司屋ったって、回っちゃいねぇ。
板さんが、豆絞りの帽子かぶって、前掛けをきちんと締めた、
まっとうの寿司屋じゃな。
その場で立って注文すりゃ、丁寧な仕事をしてくれる。
きのうはヨ、マグロづくしってのを注文して、
握ってもらう間に、ちょいと歩くんじゃな。
歩くったって、30歩も歩いた所に、
おなじ6時半からノレン出しておる、蕎麦屋があるんじゃて。
湯気のあがる厨房には、若い目が真っくろくろの女性が働いておって、
アルバイトじゃろか、朝からご苦労さまじゃ。
実は、この蕎麦屋の注文方法がむつかしいんじゃな。
現金は、ダメと言わるる。
カウンターに、注文自販機があってヨ、タッチ式となっとる。
写真はあるんじゃが、なんせ、次々に押していかんとならんのヨ。
まず、冷たいのか、暖かいのかを選ぶのに、
ボタンの位置を探さにゃならん。
「おお~こんなところに!」
端っこにボタンの列があったんじゃが、こりゃ見つからんヨ。
押すと、天ぷらの絵が蕎麦と一緒に出てくるで。
うん、旨そうじゃ。
しかし、朝から天ぷら三昧もいかがじゃろうか?
《九条ネギ蕎麦》
っちゅうのを見つけて、ポチッとやったゼ。
《温泉卵》も、ポチッ
はて、支払い・・・・?
ポチポチやっている内に、カードの絵が20枚ほど出てきゃがった。
こん中から、ワシが持っておるカードを見つけろと言うんじゃろな。
う~~~ん。
ないな・・・・
すると、後ろから手が伸びて、
「クレジットと書いてある所を押せ」と、
苦虫かみつぶした若者が、指図してくれる。
ありがたいこっちゃ。
押したら、「領収書はと問うてるらしい」・・・と後ろから口で指図。
押したら、「決定を押してください」と言いながら、後ろを指さす。
後ろには、3人ほどが、鬼のような顔して、立っておる。
押したら、「チケットを取ってとっとと進め」
と苦虫の顔に書いてある。
取ったら、「あんたのカードを忘れてるよ」と、
口をへの字で渡してくれる。
さぁ~て、やがて蕎麦が出来てヨ、寿司も握られてヨ、
朝っぱらから、テーブル座って豪華な理想的な食事じゃねえか、
ふと隣りを見たら、
生ビールをグビグビやってるリーマンがいるじゃねぇか!
まだ朝、7時前だゼ。
ふんで、食い終わってシーシーやってたら、
さっきの蕎麦屋の券売機の前に、おおがらなゲェジンさんが、
身をこごめてるじゃねぇか。
そりゃ、わかんねぇだろうヨ、横文字書いちゃいねぇんだから。
おいらじゃ助けにもなんねぇし。
するとヨ、さっきのアンちゃんが、蕎麦のハシを持ったまま、
横に行ってヨ、教えてんだな。
偉れぇな最近の若いもんは、見た目じゃ判断できねぇな。
「苦虫」とか言ってゴメンな。
っととと、そのアンちゃん、次のオバちゃんにも教えてんじゃねぇか!
蕎麦、のびるぜぇ~
ああいう人に、国民なんたらを送れってんだぁ~