湿気とりの容器、ドライペット(商品名)というモノがある。 10×8×8センチほどのプラスチックで、
上部に白い紙が貼ってある。
そこから湿気を吸い込み、水に変換するらしい。
半年間に充分吸い込んだ容器を捨てる作業をしていた。
ふと・・・この水は飲めるのか?
飲めるとは、サバイバル的になった時に飲めるか、
という疑問だ。
さっき捨てた容器をゴミ箱から引っ張り出して、
虫眼鏡で文字を読む。
「幼児のいたずら、誤飲誤食に注意」
「誤って目や口にはいった時は下記に連絡を」
日本中毒センターの電話番号が書いてある。
なるほど、サバイバルな場合でも、
飲んではいけない事が分かった。
この液体は、人工的に作り出した水分である。
普通は飲もうとは思わない。
しかし、水に飢えた時の精神状態は異常なものがある。
昨年の夏に、北海道の利尻岳で、数時間、
水なしで歩きとおした時、
中学の野球部で真夏の炎天下のグランドで、
水なし球拾いを続けた思い出がよみがえった。
空腹の飢餓状態より、はるかに厳しい精神状態と、
身体の変化が起きる。
たった数時間であっても、水の飢餓は著しい。
よもや数日ともなれば・・・
飲んではいけないと、表記してあっても、
「死ぬよりいい」と、考える自分が、ちょっといる。
北海道の山々では、キツネが運ぶ病原菌のセイで、
生水が飲めない。
「煮沸絶対」と戒められている。
そんな時でも、涼やかに流れる谷川を見ると、
口をつけたくなる。
日本では、濁った水など誰も飲もうとしないが、諸外国では、
平気で飲む人たちが大勢いる。
水に対する感覚が違い過ぎる。
ということで、湿気とりの容器を回収するときは、
充分水を飲んでからにしましょう。
間違っても、スポーツ後のカラカラ喉の時に、
タンスの中をさぐってはなりません。